『STORY of甲斐』

ボクの持ってる甲斐バンド、甲斐よしひろ、KAI FIVEのアルバムのdiscographyです。アルバム一枚一枚に、ボクの感想と思いを書いてみました。


「甲斐バンド」1thアルバム“らいむらいと1974年12月20日発売)

甲斐バンドデビューアルバム。多分このアルバム製作時って、甲斐もバンドのメンバーもどう立ち回りしていいか、分からない状態だったんだろうと思う。そういうこともあってか、甲斐バンドアルバムというよりは、甲斐よしひろ、しかもアマチュア時代の曲の総集編といった感の強いアルバムだろう。

ロックを意識してプロの世界に入ったものの、どう表現していいかわかないまま作られた感じで、サウンド的には歌謡曲やフォーク臭が強い。

逆に言えば、学生時代の甘いセンチメンタリズムが多いに漂うアルバムかもしれないな。

〈収録曲〉

1、あの頃  2、No.1のバラード  3、悪魔に狂って  4、恋時雨  5、週末  6、バス通り  7、魔女の季節  8、放課後の並木道  9、アップルパイ  10、思春期  11、吟遊詩人の唄(ONE MAN BAND)   

「甲斐バンド」2ndアルバム“英雄と悪漢1975年11月5日発売)

  このアルバムこそが、甲斐バンドの実質1thアルバムだということは、古きファンなら誰しもがそう思うだろう。このアルバムに「ポップコーンをほおばって」が収録されていることからも、それは明らかだ。前作と比較してもサウンド的にもロックになりつつあり、詞もハードボイルドのエッセンスが入り込み始めている。

フォーク出身のロックアーティスト、或いはフォークと対峙したロックアーティストという縮図も見え隠れしてそう。

こういうのがやりたかったんだ、という甲斐の声が聞こえそうだ。なんだか地に足つけて、しっかりした感じに作ったというイメージが強い。ライナーノ-ツに「僕らは変わり行くことが望みだ」ということが書いてあった通り、甲斐バンドはこのアルバムを基点にして、走り始めたんだ。

〈収録曲〉

  1、ポップコーンをほおばって 2、東京の冷たい壁にもたれて 3、光と影 4、裏切りの街角 5、風が唄った日 6、狂った夜 7、かりそめのスウィング 8、昨日のように 9、一日の終わり 10、絵日記 11、(薔薇色の人生)

「甲斐バンド」3rdアルバム“ガラスの動物園”1976年10月5日発売)

甲斐は大都市と格闘してたのかもしれない、そんなイメージがつきまとうアルバム。この当時、つき合ってた彼女にささげたアルバムらしいが、田舎から上京した若者が、名を上げるため大都市の中でもがく姿と心情が溢れているアルバムだと思う。

自分の今おかれてる位置、そんなものを確かめながら、それでいて、恋人たちの甘さを感じさせつつ、溢れる才能とメロディがこれでもか、と表されているような気がする。

アルバムジャケットが秀逸だった。朝靄の中、甲斐バンドのメンバーが、それぞれの位置を確認し、大都会に戦いを挑もうとする。そんなイメージだった。

〈収録曲〉

1、ガラスの動物園のテーマ 2、らせん階段 3、黒い夏 4、新宿 5、テレフォン・ノイローゼ 6、東京の一夜 7、昨日鳴る鐘の音 8、やせた女のブルース 9、男と女のいる舗道 10、あの日からの便り 11、悪いうわさ 12、ゆきずりの風

「甲斐バンド」4thアルバムこの夜にさよなら1977年10月5日発売)

このアルバムは、トータル性よりも個を重んじたのかもしれない。ただ、それにはメンバーが幼かったのかもしれず、詞が背伸びした感じになってる。サウンド的には進歩したものの、ロック&フォークの匂いを漂わせながら、歌謡曲に最も近寄っている。

アルバム製作には時間がかからなかった。それに反するようにライブ活動が激化し、そうした背景が影響していたのかもしれない。ただ、ロックを本当の意味で理解できない場合は、好まれるアルバムかもしれないが。

サウンド的よりも、詞の世界が好きなアルバムだ。

〈収録曲〉

1、最後の夜汽車 2、そばかすの天使 3、きんぽうげ 4、ブラッディー・マリー 5、この夜にさよなら 6、8日目の朝 7、くだけたネオンサイン 8、スウィートキャンディ 9、夕なぎ 10、氷のくちびる 11、円舞曲(ワルツ)

「甲斐よしひろ」カバーアルバム第1弾翼あるもの1978年5月21日発売)

賭けに出た甲斐よしひろ。ライブ活動は盛り上がるものの、レコードセールスが伸び悩む状況において、メンバーにも活をいれるため、甲斐よしひろは単身渡米し、スタッフもミュージシャンも現地調達、しかも、曲はほとんどが自分のオリジナルではない。しかも、レコード製作会社を決めずして、製作発表されたアルバムだ。このアルバムの選曲、製作の模様は、甲斐よしひろの懐の深さも見せてくれる。

これで甲斐バンドの音楽活動にエネルギーが更に送り込まれ、活動指針が明らかとなり、空前の盛り上がりをみせていくことは、その後の姿を見てれば一目瞭然である。

 〈収録曲〉 

 1、グッドナイト・ベイビー 2、えんじ 3、10$の恋 4、サルビアの花 5、喫茶店で聞いた会話 6、ユエの流れ 7、あばずれセブンティーン 8、恋のバカンス 9、マドモアゼル・ブルース 10、薔薇色の人生

「甲斐バンド」5thアルバム誘惑1978年10月5日発売)

このアルバムから、本格ロックバンドになった気がする。サウンド面でのロックへの特化はもちろんのこと、詞も官能の世界、愛と性を意識させる内容に変わりつつあるアルバムだ。

甲斐バンド、甲斐よしひろの変遷を辿る時、絶対に無視してはいけない、いや、無視できないアルバムだ。アルバムジャケットも、当初は瓦礫の中から白い手が出ていて、その上を蝶が舞うという官能のジャケットだった。

 〈収録曲〉

 1、カーテン 2、ちんぴら 3、悲しき愛奴(サーファー) 4、からくり 5、翼あるもの 6、嵐の季節 7、バランタインの日々 8、二色の灯 9、シネマ・クラブ 10、LADY

「甲斐バンド」ベストアルバム第1弾甲斐バンド・ストーリー1979年3月5日発売)

甲斐バンド初のベストアルバム。“HERO”がチャート1位を獲得した直後に発売され、このアルバムも甲斐バンド初のチャート1位になった。まさにタイムリーな発売で、「HERO」がライブを除くアルバムで収録されているのは、ベストアルバム第2弾“Here We Come 4 Sounds”とこのアルバムのみ。

甲斐の選ぶベストと、ファンが選ぶベストは、食い違いを見せることがほとんどだが、ボクはこのアルバムについては選曲に納得していた。

アルバムジャケットはモノクロだけれど、甲斐の胸に飾られたバラの花が、印象的で、アルバムの存在を象徴していたような気がしてならない。

〈収録曲〉

1、HERO(ヒーローになる時、それは今) 2、きんぽうげ 3、ガラスの動物園のテーマ 4、らせん階段 5、ポップコーンをほおばって 6、ダニーボーイに耳をふさいで 7、裏切りの街角 8、かりそめのスウィング 9、メモリーグラス 10、氷のくちびる 11、テレフォン・ノイローゼ

「甲斐バンド」6thアルバムMY GENERATION1979年10月5日発売)

 「誘惑」で表現された愛と官能の世界が、発展して世代論を語るようになった。“三つ数えろ”が“MY” GENERATIONとと表示されているのが、このアルバムの真骨頂だろう。

 “HERO”がヒットし、世間の流れを味方につけたようにも見えたが、甲斐バンドはしっかり先を見据え、足元を見失ってはいなかったことが実証されたアルバムでもあるだろう。

名曲“100万$ナイト”はファンならずとも、一度は体験して欲しい曲だ。

〈収録曲〉

1、三つ数えろ 2、感触(タッチ) 3、港からやってきた女 4、街路 5、100万$ナイト 6、異邦人の夜(シスコ・ナイト) 7、特効薬 8、 9、グルーピー 10、熱狂(ステージ)

「甲斐バンド」2ndライブアルバム“100万$ナイトー武道館ライヴ”1980年3月5日発売)

1979年12月21日、22日に行われた甲斐バンド初の武道館ライヴを収録した2枚組アルバム。ボクが始めて聞いたライヴアルバムだった。

何が印象に残ったかって、演奏もボーカルもはっきり聞き取れて、こんなことは今までなかったということだった。歌詞がはっきり聞き取れる気持ちを感じさせてくれ、特に「氷のくちびる」は演奏もボーカルも最高だった。

〈収録曲〉

1、きんぽうげ 2、感触(タッチ) 3、テレフォン・ノイローゼ 4、シネマ・クラブ 5、らせん階段 6、安奈 7、噂 8、嵐の季節 9、港からやってきた女 10、三つ数えろ 11、カーテン 12、氷のくちびる 13、ポップコーンをほおばって 14、LADY 15、HERO(ヒーローになる時、それは今) 16、翼あるもの 17、100万$ナイト (おまけシングル)18、最後の夜汽車

「甲斐バンド」7thアルバム“地下室のメロディー”1980年10月5日発売)

甲斐よしひろが離婚した時期に作られたアルバム。男女の別れに伴う痛みを感じられずにはいられない。けど、それは映画のワンシーンのようでもあった。

甲斐よしひろの私生活を感じるのには適したアルバムと評する向きもあるが、ボクも賛成だ。作り手の気持ちの高揚感みたいなものが感じられ、そういう意味からすると、甲斐バンドではなく、甲斐よしひろバンドのアルバムだったのかもしれない。

〈収録曲〉

1、漂泊者(アウトロー) 2、一世紀前のセックスシンボル 3、ダイヤル4を廻せ 4、スローなブギにしてくれ 5、聖夜 6、地下室のメロディー 7、街灯 8、マリーへの伝言(メッセージ) 9、涙の十番街

「甲斐バンド」3rdライブアルバム“流民の歌”1981年6月5日発売)

3枚組みライブアルバム。値段のつけ方にレコード会社と悶着があったらしい。

音楽的にはパーカッションが多用されていたということもあるけど、スタジアムバンドNO1になろうとしたバンドが、いろんなスタジアムでのライブの集大成みたいにアルバムを作ってくれたのはうれしかった。このアルバムがなければ、後日の「花園ラグビー場ライブ」は成功しなかったかもしれない。

〈収録曲〉

1、翼あるもの 2、地下室のメロディー 3、一世紀前のセックス・シンボル 4、カーテン 5、嵐の季節 6、ポップコーンをほおばって 7、氷のくちびる 8、最後の夜汽車 9、安奈 10、二色の灯 11、きんぽうげ 12、涙の十番街 13、HERO(ヒーローになる時、それは今) 14、LADY 15、ビューティフル・エネルギー 16、汽笛の響き 17、荒馬 18、天使(エンジェル) 19、漂泊者(アウトロー) 20、100万$ナイト

「甲斐バンド」8thアルバム“破れたハートを売り物に”1981年11月1日発売)

後期甲斐バンドはここから始まった、という苦難の末に発表されたアルバム。サウンド面での苦悩はあったものの、詞はハードボイルドかつ、愛に満ち溢れた感じになってきた。フォーク&ロックという区分があるのなら、“誘惑”以降ロックに特化しつつあったサウンドが、ここきて本格的にロックになった感じがする。

このアルバム製作がなければ、甲斐バンドは語れないし、甲斐バンドというジャンルも存在しなかった。多分、和製ロックの帝王と甲斐バンドが言われたのも、このアルバムの功績が大きい。

タイトル曲と「観覧車」は、結局後日取り直しになるけれど、ボクはこのアルバムのものが最も気に入ってる。甲斐バンドを紹介して、と言われて最初に紹介したいアルバムでもある。多分、ボクの中では甲斐のアルバムベスト3に、完全に入ってくるアルバムだ。

〈収録曲〉

1、破れたハートを売り物に 2、ランデヴー 3、ダイナマイトが150屯 4、どっちみち俺のもの 5、ジャンキーズ・ロックンロール 6、陽の訪れのように 7、奴(ギャンブラー) 8、観覧車 9、冷たい愛情

「甲斐バンド」9thアルバム“虜−TORIKO−”1982年11月1日発売)

音質の進化にビックリさせられたアルバムだ。言うまでもなくボブ・クリアマウンテンとの3部作の1作目。アルバム“破れたハートを売り物に”で甲斐が意図したものが、ようやく形となった。日本のミュージックシーンを進化させたアルバムと言っても過言じゃない。日本語でロックをやれる奴が、音的にも本物になった感じがした。

アルバムジャケットにかけられていたカラーファイルを重ねると、妖しげな女性の写真が現れる効果が施され、いかにもTORIKOのイメージが沸き立たされる仕掛けになってた。

〈収録曲〉

  1、BLUE LETTER 2、ナイト・ウェイブ 3、観覧車‘82 4、ブライトン・ロック 5、無法者の愛 6、 7、呪縛の夜 8、フィンガー 9、荒野をくだって

「甲斐バンド」10thアルバムGOLD−黄金−”1982年11月1日発売)

ボブクリアマウンテンとの3部作の2作目。ニューヨークマンハッタンを思い出させるアルバムジャケット。音質の良化が更に進んで、ロックとしての音質が本格化するまでの過渡期に製作されたアルバム。

ハードボイルドというエッセンスが、誰の耳を通しても明らかになってきたアルバムでもある。それでいて、明るくなった甲斐バンドという言い方も、あながち、的を外してはいないだろう。

〈収録曲〉

1、GOLD 2、ボーイッシュガール 3、シーズン 4、マッスル 5、ムーンライト・プリズナー 6、MIDNIGHT 7、危険な道連れ 8、SLEEPY CITY 9、胸いっぱいの愛 10、射程距離

「甲斐バンド」4thライブアルバム“THE BIG GIG”1983年11月21日発売)

1983年8月7日、新宿都有5号地通称“ZONE”で行われた野外ライブの模様を収めたライブアルバム。ビデオ(DVD)、レコード(CD)、FM用と様々なバージョン違いで再現された。有料入場者数約21,000人。この時期、これだけの規模で野外ライブをした例は他にはなかった。西新宿界隈の自動販売機の類が全て売り切れになったという。

炎天下に長時間待たされたボクが初めて参戦したライブ。西新宿という大都会の建造物をしっかり意識したライブで、ライティングのよさが際立っていた。この時、演奏された「東京の一夜」が、このライブをより印象的にしている。

〈収録曲〉

  1、ブライトン・ロック 2、ダイナマイトが150屯 3、危険な道連れ 4、ムーンライトプリズナー 5、SLEEPY CITY 6、GOLD 7ボーイッシュガール 8、荒野をくだって 9、氷のくちびる 10、ナイト・ウェイブ 11、東京の一夜 12、シーズン 13、MIDNIGHT 14、ポップコーンをほおばって 15、漂泊者(アウトロー) 16、観覧車‘82 17、破れたハートを売り物に

「甲斐バンド」11thアルバムLOVE minus ZERO1985年3月1日発売)

ボブクリアマウンテンとの3部作の最終作品。

ハードボイルド編も頂点に上り詰めた感があり、大都市の空間が似合ってきたバンドは、ネオ・ダンディズム、都市の野生と評された。階段を一段ずつ確実に上っていたバンドが、“TORIKO”で一気に2、3段駆け上がり、そこからまた着実に前進してきた。遂にここまできたか、というバンドの確実な成長が感じ取れる。

スリルとサスペンス、スピード感、パンチ力等、どれをとっても密度が高い。質感という奴が高揚した感じだ。これぞ、後期甲斐バンドという代表的アルバムだろう。

〈収録曲〉

1、野獣−A WILD BEAST 2、冷血(コールド・ブラッド) 3、フェアリー(完全犯罪) 4、キラー・ストリート 5、LOVE minus ZERO 6、デッド・ライン 7、Try 8、悪夢 9、夜のスワニー

「甲斐バンド」ベストアルバム第2弾“HERE WE COME THE4 SOUNDS”1985年9月28日発売)

“甲斐バンド・ストーリー”に続くベストアルバム第2弾。時期的にHERO以降、アルバム“LOVE minus ZERO”までと思っていたら、どうもシングル“フェアリー(完全犯罪)”までらしいし、HEROが入っていたことに驚いた記憶がある。しかも、“安奈”の二番煎じのような“街灯”が入っていたことも意外だった。

“安奈”はシングルのみだったので、このアルバムに入っていたのは当然のこととはいえ、うれしかったな。

〈収録曲〉 

1、安奈 2、漂泊者(アウトロー) 3、HERO(ヒーローになる時、それは今) 4、地下室のメロディー 5、ビューティフル・エネルギー 6、破れたハートを売り物に 7、街灯 8、BLUE LETTER 9、シーズン 10、観覧車’82 11、マッスル 12、フェアリー(完全犯罪)

「甲斐バンド」12thアルバム“REPEAT & FADE”1986年3月5日発売)

行き着くところまで行き着いた感があった甲斐バンドの次作は、なんと12インチシングルの4枚組だった。甲斐バンドのメンバーが個々にプロジェクトと称して12インチシングル(4曲)を1枚ずつ作り、必ず1曲は甲斐よしひろが絡むというやり方。甲斐よしひろ以外は新曲だったろうが、甲斐よしひろは、他の人に提供した曲をセルフカバーしていた。

甲斐バンド解散発表と前後して発表されたこのアルバム。エンジニアはジェイソン・カーサロ。完成度も去ることながら、その企画に度肝を抜かれたし、バンド解散の衝撃が、このアルバムを生んだかもしれない。

〈収録曲〉

PROJECT・?(N.大森) 1、25時の追跡 2、エコーズ・オブ・ラヴ 3、JOUJOUKA 4、ロマン・ホリデー

PROJECT・?H.松藤) 1、O’l Night Long Cruising 2、サタニック・ウーマン 3、レイニー・ドライヴ 4、メガロポリス・ノクターン

PROJECT・?I.田中) 1、Funky New Year 2、ジェシー(摩天楼パッション) 3、Run To Zero 4、悪魔と踊れ

PROJECT・?(Y.甲斐) 1、ハート 2、オクトーバー・ムーン 3、天使(エンジェル) 4、ALL DOWN THE LINE〜25時の追跡

「甲斐バンド」5thライブアルバム“THE 甲斐バンド”1986年7月31日発売)

甲斐バンド解散ライブ‘PARTY’の模様。全国各地で解散ライブを行い、その模様の中でも大阪城公演の模様が中心に、CDとビデオ(DVD)で発表された。ボクはこの時、サラリーマン1年生で、参戦もままならず、千葉公演と最後の武道館5日間連続公演の最終日のみ参戦した。

デジタル音全盛の中、その模様が感じ取られるが、CDよりはビデオ(DVD)の方が出来栄えがよく、臨場感が感じられる。当時からの甲斐バンドファンには忘れられないアルバムだろう。

〈収録曲〉

  1、ナイト・ウェイブ 2、フェアリー(完全犯罪) 3、BLUE LETTER 4、感触(タッチ) 5、裏切りの街角 6、かりそめのスウィング 7、安奈 8、テレフォン・ノイローゼ 9、ポップコーンをほおばって 10、冷血(コールド・ブラッド) 11、ランデブー 12、観覧車’82 13、レイニー・ドライブ 14、LOVE minus ZERO

「甲斐バンド」ベストアルバム第3弾“POISON 80‘s”1986年11月21日発売)

ボブクリアマウンテンとの3部作“虜−TORIKO−”“GOLD−黄金−”“LOVE minus ZERO”から選曲されたベストアルバム。

この3枚のアルバムは音的に飛躍向上したことで、それを記念にベストを残そうとしうたらしい。‘野獣’、‘ナイト’ウェイブは、シングルのみの発売だったロングバージョンやアナザーアレンジが収録され、‘悪夢’も田中 一郎がボーカルのものが選定されており、シングルを買わず、アルバムのみを集めているファンにはうれしいベストアルバムだ。

〈収録曲〉

1、野獣(アナザーアレンジメント) 2、呪縛の夜 3、冷血(コールドブラッド) 4、LOVE minus ZERO 5、マッスル 6、ナイト・ウェイブ(ロングバージョン) 7、観覧車’82 8、BLUE LETTER 9、射程距離 10、シーズン 11、悪夢‘(vo−I.田中) 12、夜のスワニー 13、野獣(ロングダンスミックス) 14、破れたハートを売り物に(NEW ミックス)

「甲斐よしひろ」1thアルバム“ストレート・ライフ”1987年4月22日発売)

 甲斐バンド解散後、甲斐よしひろがソロとなり、発表したファーストアルバム。収録は甲斐バンド時代に行っていたそうで、甲斐バンドの匂いがかなり感じられる。甲斐よしひろが演じる甲斐バンドのアルバムのようで、しっかり甲斐よしひろ個人の骨太な特徴が生かされている。

このアルバムもハードボイルド小説のようで、甲斐バンドファンが期待していた甲斐バンドの匂いがするソロアルバムだったかもしれない。

〈収録曲〉

1、イエロー・キャブ 2、ブルー・シティ 3、電光石火BABY 4、クール・イブニング 5、レイン 6、夜にもつれて 7、モダン・ラブ 8、441WEST 53rd ST.−エキセントリック・アベニュー

「甲斐よしひろwith甲斐バンドコンプリートアルバム“COMPLETE REPEAT & FADE”1987年11月5日発売)

甲斐バンド最終アルバム“REPEAT & FADE”のコンプリート版。甲斐よしひろがソロとして正式にデビューし、新作も発表した時期に、何故か甲斐バンドを意識させたアルバムが発表された。後日、甲斐よしひろは「甲斐バンドはもうない。甲斐よしひろはソロなんだ。甲斐バンドはもうないけど、ファンは僕に甲斐バンドを期待してるんだ・・・」と困ったような発言をしていた。そのファン向けに作られたアルバムか・・・というのは穿った見方か。

ボクは当初、このアルバムを買う気はなかった・・・

〈収録曲〉

  1、ALL DOWN THE LINE−25時の追跡 2、レイニー・ドライブ 3、O’l Night Long Cruising 4、Funky New Year 5、ノスタルジア(インストゥルメンタル) 6、ジェシー 7、ハート 8、Run To Zero 9、オクトーバー・ムーン 10、Weekend Lullaby 11、25時の追跡(インストゥルメンタル) 12、メガロポリス・ノクターン

「甲斐よしひろ」2ndアルバム“Chaos”1989年2月22日発売)

このアルバムから甲斐バンドの匂いが消えていったような気がする。無機質な感じが無きにしも非ずだが、研ぎ澄まされた感性で世の中を見抜いていそうな感じがしたアルバムだ。

このアルバムのテーマというか、表現しようとしたコンセプトは、今この時代になっても生きてるんじゃないだろうか。不確実で混乱した世の中には、欠かせない感性を感じるアルバムだと思う。

〈収録曲〉

  1、インジュリー・タイム 2、Chaos 3、Word 4、レッド・スター 5、ミッドナイト・プラス・ワン 6、サンキュー 7、コールド・ルーム 8、不思議な夢  9、I LOVE YOU VERY MUCH(I.L.Y.V.M) 10、波

「甲斐バンド」6thライブアルバム“Secret Gig”1989年6月29日発売)

甲斐バンドの正式な最終ライブPARTYは、武道館5日間連続公演で終結したが、その2日後、黒澤フィルムスタジオで抽選により1500名のオーディエンスが招待され、甲斐バンドのメンバー各個が演奏したい曲をミーティングしながら進められたライブが行われた。

中島みゆきや吉川晃司がゲストとして招かれ、ジョイントした華やかなものになった。

ただ、このライブアルバムが、ソロになり数年経ってから発表されたのは、やはり甲斐バンドを呼ぶ声が大きかったんだろうか・・・

〈収録曲〉

  1、キラー・ストリート 2、SLEEPY CITY 3、東京の冷たい壁にもたれて 4、ジャンキーズ・ロックンロール 5、HELPLESS 6、港からやってきた女 7、青い瞳のステラ、1962年 夏 8、ランデヴー 9、TWO OF US 10、悪いうわさ 11、25時の追跡 12、破れたハートを売り物に

「甲斐よしひろ」3rdアルバム“エゴイスト”1990年5月23日発売)

甲斐バンドを望むファンの声に切れてしまったんだろうか。甲斐よしひろはもう甲斐バンドじゃない、勝手にやらせてもらうといった感じで進めていって出来たアルバムのように聞こえる。そう、オレ(甲斐よしひろ)は、もう先に行くからね、と。

でも‘無法者の愛’がリカバーされて収録されていることなど、切っても切りきれないものにもなってる気がする。甲斐らしさの一つであるキレのよさ、切り替えの早さが、無理してるようであんまり見えないアルバムだなあ。その割に気になる曲は多い。

〈収録曲〉

  1、トランスレディ 2、スウィート・スムース・ステイトメント 3、NIGHT TRIPPER 4、無法者の愛 5、嘘−たわごと 6、炎 7、シンパシー 8、女たち 9、エゴイスト 10、TWO MOON JUNKTION

「甲斐よしひろ」ライブアルバム第1弾“DOUBLE INITIATIVE”1991年3月6日発売)

1990年10月4日5日と行われたA.G.GIGとファンクアップナイトからファンクアップナイトの模様を中心に構成され発表されたライブアルバム。

これはボクも参戦したんだけど、物足りなさがかなり残った。‘マッスル’をバラードでやったりして、一貫性も何もあったもんじゃなかった。

前年度年末、横浜・本牧で行われたA.G.GIG(ナイトトリッパー)をやった意味がなくなってしまったかな、と甲斐のライブにしては珍しく残念に思ってたライブアルバムだった。

 〈収録曲〉

 1、インジュリー・タイム 2、WORD 3、ボーッシュガール 4、カーテン 5、一世紀前のセックスシンボル 6、BLUE CITY 7、マッスル 8、エゴイスト 9、千鳥橋渋滞 10、機関車 11、スウィート・スムース・ステイトメント 12、昨日のように 13、波

「KAI FIVE」1thアルバム“幻惑されて”1991年10月31日発売)

甲斐が‘KAI FIVE’というユニットを組んで発表したアルバムの第一弾。思わずハードロック路線か!と思ったほど、ショックはあった。詞もメロディもビートも、それまでのものとは明らかに違い、甲斐が全く別の人物に見えた。これが甲斐のやりたかったことなのか、と疑心暗鬼にもなっていたな。

でも、プロのテクニシャンであるミュージシャンが甲斐の元に集まったなという感じも持てたような気がしてる。このまま、行くのかな?という疑問符がついたのも確かだった。蛇足ながら、ギタリストの多奈加 裕千(ヤッチ)のボーカルは素晴らしかった。

〈収録曲〉

1、グットフラストレーション 2、幻惑されて 3、ラブ・シュール 4、LOVEPOTION 5、悪戯な干渉 6、ヒーリングタイム 7、エスカレーション 8、報酬(名ばかりで愛しいビックマウスブルース) 9、顔役 10、OH MY LOVE

「KAI FIVE」2ndアルバム“LOVE JACK”1992年8月26日発売)

KAI FIVEというそれまでの甲斐バンドやソロとは異なったユニットの登場に目を見張ったが、このアルバムはどことなく甲斐バンドの匂いが漂っていた。もちろんFIVE独自の匂いも多いにあったけれど。軟化したなあ、というイメージが沸いたアルバムでもあった。

KAI FIVEは3人のユニットだったけれど、このアルバムだけ4人になっていた。

〈収録曲〉

1、ラブ・ジャック 2、ブラックパラノイア 3、四月の雪 4、シー・スルー 5、甘い復讐 6、ブラック・サンドビーチ 7、サーフ・ムーン 8、TWO 9、? 10、ノーヴェンバー・レイン

「KAI FIVE」3rdアルバム“嵐の明日”1993年6月2日発売)

KAI FIVEの甲斐バンド化が顕著になった。ただ、詞は濃厚で、単なる男女の恋愛感を歌ったものでは無くなってきた感じが強い。詞は濃厚で醸し出す世界が変わってきてる感じが強くなってきたが、ユニットとしてのまとまりよりも、個の強さが目立つ。

TVの主題歌になった「風の中の火のように」が収録されているが、それ以外の曲の方に名曲が多いとは言えないだろうか。

 〈収録曲〉

1、風の中の火のように 2、落下する月 3、涙のアドレス 4、切ない痙攣 5、影 6、月に泣く 7、絶対・愛 8、嵐の明日 9、Fever 10、青二才 11、桟橋の街 12、都会のつらら

「甲斐よしひろ」4thアルバム“太陽は死んじゃいない”1994年12月7日発売)

KAI FIVEが原因不明で解散し、その後再びソロとなって発表されたアルバム。甲斐よしひろが帰ってきた、という感じがしたな。アクの強さ、メロディじゃなく、詞でロックする姿、いかにも甲斐らしさが表現されたアルバム・・・でも、よく聞いてみれば、なんだか分からない軽さも感じる。

これを機に、21周年記念に出て行くんだけど、甲斐の甲斐らしさはこの辺りまでなのかもしれないな。

 〈収録曲〉

1、愛と呼ばれるもの 2、橋の明かり 3、渇いた街 4、GET! 5、かけがえのないもの 6、恋愛平行線 7、アジテイター 8、ラヴァー・ホリック 9、光あるうちに行け 10、火傷−YAKEDO

「甲斐よしひろ」ベストアルバム第1弾“少年の蒼”1995年11月22発売)

このベストアルバムは、Best Rock Selectionとして、甲斐バンド時代からソロに至るまでの楽曲の中からチョイスされたもの。大人になりきれない子供、それがROCKの持ち味だ、としてアルバムタイトル名になったんだろうし、甲斐の所属するレコード会社の移籍が変わった直後に発売されたものではあるが、何故このアルバムが発表されたのか、意味が分からない。

 ボクはこのアルバム、そのジャケットのカッコよさから、思わず買ってしまった。

 〈収録曲〉

   1、破れたハートを売り物に(EDIT’95) 2、裏切りの街角 3、漂泊者(アウトロー) 4、HERO(ヒーローになる時、それは今) 5、きんぽうげ 6、BLUE LETTER 7、観覧車‘82 8、風の中の火のように(LIVE) 9、レイン 10、電光石火BABY 11、THANK YOU 12、安奈 13、幻惑されて

「甲斐よしひろ」5thアルバム“GUTS”1996年1月24日発売)

日本人メジャーリーガー‘野茂’の気概に触発されて出来たアルバム。なるほど、アルバムタイトルとその気概が全編通して感じられるし、その気概は気持ちのいいものだ。ただ、アクの強い甲斐というイメージは若干薄れ、妙に明るくなった感じがする。

ただ、キレはいい。それはプレーヤーとしても、プロデューサーとしても参加した‘鎌田ジョージ’は、絶対無視できないアルバムだ。

〈収録曲〉

1、レディ・イヴ 2、風吹く街角 3、レッド・シューター 4、スマイル 5、時の人 6、GUTS 7、Midnight Interval/GO−MEN 8、放課後 9、メタモルフォーゼ 10、マイ・マイ・マイ 

「甲斐バンド」セルフカバーアルバム“Big Night”1996年7月24日発売)

甲斐バンドが、解散後10年目にして再結成されたときに発表されたセルフカバーアルバム。甲斐の言葉を借りれば「同窓会的ノリ」だけれど、オリジナルアルバムじゃなくて、セルフカバーアルバムというところが、いかにも甲斐らしい。ポップで軽快なアレンジで、往年の甲斐バンドファンには???という感じもするだろうが、同窓会には賑やかに、という側面もあるのだから、これでよかったと思う。

甲斐は、甲斐バンド解散10年というキーワードはスタッフから聞いて思い出したといってるが、ここまでの変遷を思うとき、それは必然の流れだったんだろう。

〈収録曲〉

1、三つ数えろ 2、一日の終わり 3、一世紀前のセックス・シンボル 4、漂泊者(アウトロー) 5、ポップコーンをほおばって 6、観覧者‘96 7、街灯 8、氷のくちびる 9、陽の訪れのように 10、悲しき愛奴(サーファー) 11、LADY 12、安奈 13、地下室のメロディー 14、嵐の季節

「甲斐よしひろ」6thアルバムPARTNER”1997年7月9日発売)

甲斐バンド再結成を経て発売されたこのアルバム。タッグを組む重要性とすばらしさを体感していたのかもしれない。作詞や作曲を他のアーティストに頼んでいたり、デュエットしてみたり。‘ドキ・ドキ’のコーラスには甲斐の3人の子も参加していたり。楽曲の方向性も、自分だけじゃなく相手にも向けられていて、そこには重要なキーワードが隠されている。

甲斐は本来ソロではなく、バンドやユニットを組んだ方が、本来の特徴を現しやすいのかもしれない。だけど、だれと組んでもいいというわけじゃない。

〈収録曲〉

1、パートナー 2、は・だ・か 3、LOVE is NO.1 4、ONE 5、BLUE 6、I(♯2) 7、クレイジー・レイジー・ラブ 8、CRY 9、ティーンエイジ・ラスト 10、ドキ・ドキ (LOVE is What?)

「甲斐よしひろ」記念ベストアルバム“HIGHWAY25”1999年8月25発売)

甲斐よしひろデビュー25周年記念で発売された5枚組ベストセレクションアルバム。甲斐バンド、甲斐よしひろ、KAIFIVEそれぞれの楽曲が散りばめられている。未発表テイクの曲や曲そのものが未発表のものがあったり。甲斐がプロデビューのきっかけになった‘ポップコーンをほおばって’は、プロデビュー前の演奏が納められたりしていて、ファン必聴のアルバムだろうな。

この記念アルバムには、ブックレットがつけられているけれど、甲斐バンド結成に経緯からソロデビューの背景、FIVEの結成と解散など、甲斐の音楽活動の裏側も、一曲毎に語られていて興味深いところである。
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「甲斐バンド」シングル集第1弾“Singles”(2000年6月7発売)

甲斐バンドデビュー曲‘バス通り’から‘破れたはハートを売り物に’までのシングル版に納められた曲たちを集めたアルバム。甲斐バンドにはオリジナルアルバムに納められなかったシングル曲も結構あったし、同じ曲でもアルバムとシングルではバージョンが違ってたことが多かったので、こういうアルバムはうれしかったな。

 〈収録曲〉

 DISC 1  

    1、バス通り 2、魔女の季節 3、裏切りの街角 4、薔薇色の人生 5、かりそめのスウィング 6、ポップコーンをほおばって 7、ダニーボーイに耳をふさいで 8、昨日鳴る鐘の音 9、男と女がいる舗道 10、東京の一夜 11、テレフォン・ノイローゼ 12、風が唄った日 13、氷のくちびる 14、メモリー・グラス 15、そばかすの天使 16、きんぽうげ 17、吟遊詩人の唄 18、くだけたネオンサイン 19、LADY 20、悲しき愛奴(サーファー)

DISC 2

1、HERO(ヒーローになる時、それは今) 2、からくり 3、感触(タッチ) 4、汽笛の響き 5、安奈 6、翼あるもの 7、ビューティフル・エネルギー 8、荒馬 9、漂泊者(アウトロー) 10、異邦人の夜(シスコ・ナイト) 11、天使(エンジェル) 12、一世紀前のセックス・シンボル 13、地下室のメロディー 14、銅鑼の音 15、暁の終列車 16、フィンガー 17、破れたハートを売り物に

甲斐バンドto甲斐よしひろ」シングル集第2弾“Singles?”(2000年12月6発売)

甲斐バンドシングル‘無法者の愛’から甲斐よしひろシングル‘TWO MOON JUNCTION’ までのシングル版に納められた曲たちを集めたアルバム。アルバム聞いてからシングルを聞くと、ちょっと???と思うかもしれないが、アルバム主導のアーティストだということが実感できるかもしれない。

DISC 1

1、無法者の愛 2、観覧車‘82 3、BLUE LETTER 4、ブライトン・ロック 5、ナイト・ウェイブ 6、呪縛の夜 7、シーズン 8、SLEEPY CITY 9、東京の一夜 10、胸いっぱいの愛 11、フェアリー(完全犯罪) 12、キラー・ストリート 13、野獣 14、Try 15、冷血(コールド・ブラッド) 16、悪夢 17、LOVE minus ZERO 18、夜のスワニー

DISC 2

1、レイニー・ドライブ 2、エコーズ・オブ・ラブ 3、メガロポリス・ノクターン 4、レイニー・ドライブ(甲斐ボーカル) 5、電光石火BABY 6、夜にもつれて 7、レイン 8、スロー・キス 9、I.L.Y.V.M 10、I.L.Y.V.M.NO、3 11、ミッドナイト・プラスワン 12、レッド・スター 13、スウィート・スムース・ステイトメント 14、ナイト・ウェイブ〜破れたハートを売り物に 15、NIGHT TRIPPER 16、TWO MOON JUNCTION(フルバージョン) 17、別離の黄昏

「甲斐よしひろ」ライブアルバム第2弾“月の裏側”(2001年4月1日発売)

2000年に行われた‘MY NAME is KAI TOUR‘というライブの模様を収めたライブアルバム第1弾。アコースティックギター1本で行われたこのライブ。甲斐には相当な手応えがあったんだろう。数年後、これを発展させたライブを数回繰り広げているけれど、この時のライブが秀逸。CD化されていない曲も収録されていてうれしいし、ギター1本でもこんな演出が出来るんだと、新しい発見もあった。

  〈収録曲〉

1、ブライトン・ロック 2、三つ数えろ 3、観覧車 4、かりそめのスウィング 5、裏切りの街角〜安奈 6、BLUE LETTER 7、against the wind 8、冷血(コールド・ブラッド) 9、嵐の季節 10、風の中の火のように 11、漂泊者(アウトロー) 12、翼あるもの 13、熱狂(ステージ) 14、最後の夜汽車 15、吟遊詩人の唄

「甲斐よしひろ」ライブアルバム第3弾“雫の反射”(2001年5月1日発売)

2000年に行われた‘MY NAME is KAI TOUR‘というライブの模様を収めたライブアルバム第2弾。

  〈収録曲〉

1、デッド・ライン 2、港からやってきた女 3、一世紀前のセックス・シンボル 4、東京の一夜 5、ナイト・ウェイブ  6、二色の灯 7、噂 8、薔薇色の人生 9、裏切りの街角〜ビューティフル・エネルギー 10、甘いkissをしようぜ 11、昨日鳴る鐘の音 12、安奈 13、CRY

「甲斐バンド」13thアルバム“夏の轍”(2001年6月6日発売)

甲斐バンドが再々結成され、甲斐の言葉を借りれば「本格的復活」し、その際に発表された15年振りの甲斐バンドオリジナルアルバム。夏の喧騒も初夏の気だるさも、そして晩夏も・・・夏を基点とした冬の雰囲気もあった。そう喧騒・・・そんな雰囲気が、いい具合に醸し出されていた。

往年の甲斐バンドファンに向けてのメッセージも込められ、15年振りという期待感以上の出来栄えだった。

〈収録曲〉

1、眩暈のSummer Breeze 2、タイトロープ 3、真夏のSEA 4、STRAS 5、トレーラーハウスで 6、甘いkissをしようぜ 7、白いブランケット 8、VIOLET SKY 9、アナログ・レザー 10、甘いkissをしようぜ(reprise) 11、Jasmin again

「甲斐バンド」7thライブアルバム“THE BATTLE OF HNK HALL”(2001年9月27日発売)

再々結成した甲斐バンドが繰り広げたライブツアー“BEATNIK TOUR 2001”の一環で、2001年6月30日にNHKホールで行われたライブの模様。甲斐バンドのメンバーはもちろん、従来の甲斐のソロライブのバックミュージシャン、往年の甲斐バンドのステージミュージシャンも参加し、郷愁漂う中、行われた。往年のナンバーが多く、ツアーに出る前発表された“夏の轍”からのナンバーが少なすぎたのは惜しかった。

これには久々、ボクも参戦し、このときばかりは興奮の坩堝だった。まさか、甲斐バンドが、フルメンバーでライブを行うのがこれが最後だと知らずに・・・

〈収録曲〉

  1、破れたハートを売り物に 2、ちんぴら 3、きんぽうげ 4、フェアリー(完全犯罪) 5、眩暈のSummer Breeze 6、シーズン 7、ナイト・ウェイブ 8、ビューティフル・エネルギー 9、BLUE LETTER 10、テレフォン・ノイローゼ 11、円舞曲 12、STRAS 13、安奈 14、裏切りの街角 15、LADY 16、嵐の季節 17、氷のくちびる 18、翼あるもの 19、漂泊者(アウトロー) 20、HERO(ヒーローになる時、それは今) 21、観覧車‘82 22、100万$ナイト (おまけ)21、シネマ・クラブ(1979atNHK HALL)

「甲斐よしひろ」カバーアルバム第2弾“翼あるもの2”(2003年10月22日発売)

甲斐よしひろが25年前に出したカバーアルバムが“翼あるもの”だったが、カバーアルバム第2弾は“翼あるもの2”という、なんだかシリーズもののタイトルのようだった。

このアルバムでカバーされた曲は名曲揃いだが、なんといってもアレンジが素晴らしい。他の人の曲のカバー、自らが提供した曲のセルフカバーと種々混合だけれど、アレンジとボーカルがこんなに合ったのも珍しいケースじゃないだろうか

〈収録曲〉

1、「祭りばやしが聞こえる」のテーマ 2、八月の濡れた砂 3、沖縄ベイ・ブルース 4、満州娘 5、霧雨の舗道 6、赤い靴のバレリーナ 7、見えない手のひらで 8、歩いて帰ろう 9、MIDNIGHT BLUES 10、そして僕は途方に暮れる 11、雪列車

「甲斐よしひろ」7thアルバム“アタタカイ・ハート”(2004年9月8日発売)

7年振りのソロ・オリジナルアルバム。なんでも、亡くなられた甲斐の母親に奉げられたアルバムでもあるという。カバーあり、セルカバーあり、デュエットありと多種多様だけれど、キレが良い割には甲斐独特のアクの強さが消えてしまっている。シングルで先に出された曲の集合体であることも否めない。‘思いやり’とか‘暖かさ’がキーワードになっているのか、全編を通して軽く、そして純粋にオリジナルアルバムという感じはしない。

〈収録曲〉

1、FIGHT THE FUTURE 2、愛のもえさし 3、星の降るFerris Wheel 4、かけがえのないもの♯2 5、愛することのもどかしさ 6、牙/タスク 7、ホリデー 8、ショック・アブソーバー 9、Blue Rose Blue 10、畔 11、ディープ・パープル

「甲斐バンド」ライブアルバムBOX“熱狂/ステージ”(2005年6月1日発売)

甲斐バンドは名うてのライブバンドだった。ライブ本数だけじゃなく、その姿勢、企画力、そして動員力と熱狂。イベントも性も高く“芦ノ湖畔ライブ”、“花園ラグビー場ライブ“、“THE BIG GIG”という3大野外ライブ、“両国国技館”ライブ、そして7年連続武道館ライブ。どれをとっても、天下無敵のライブバンド、スタジアムバンドだったんだろう。

甲斐よしひろは言う。『ライブは俺たち全存在をかけた場所だ』と。

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「甲斐よしひろ」カバーアルバム第3弾“10Stories”(2007年2月7日発売)

甲斐のカバーアルバム第3弾は、「翼あるもの」シリーズじゃなかった。自分より後発のアーティストのヒット曲をカバーしたもの。音楽的な先人と自らの感性を売り物にしてきた甲斐にとって、若いアーティストのエキスを取り込むことは新鮮さがあっていいことなんだろう。ただ、ボーカルの不安定さが目立つし、アレンジも独特の感性みたいなものは感じない。他のアーティストの世界を、甲斐の世界で表現することの素晴らしさとその手法には若干の食い違いみたいみたいなものがあったのかもしれない。

 〈収録曲〉

  1、今宵の月のように 2、歌舞伎町の女王 3、くるみ 4、ハナミズキ 5、夜空ノムコウ 6、接吻kiss 7、恋しくて 8、色彩のブルース 9、すばらしい日々 10、Swallowtail Butterfly〜あいのうた〜

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